尿牢

 時は16世紀フランス。ここはアンジュー家に連なる男爵の家格を持つ貴族の邸宅。 そこで僕は、執事見習いとして働かせていただいていた。僕自身は15歳で、貧しい集落としては食い扶持の維持も精一杯。そこで、貴族の使用人として働…

黄金の錬金水

シューリック王国、ネイバタウン。ここは一見すると水車が目立つだけの、田舎町だ。しかし、そんな田舎には知る人ぞ知る錬金術師が暮らしていた。今日も錬金術師の薬を求めて、一人の少女が訪れる…… カランコロン赤レンガの屋根をかぶ…

爆弾解体

今、俺達はコンビ結成以来最大のピンチを迎えている。相棒であるレンジャーの少女、クロエにとある状態異常がかけられたのである。その状態異常とは…… 「身体爆弾化……」 クロエが口にしたそれは、身体の一部分が爆弾となって、次第…

巫女の齎す解呪

俺は今、とある神社に参拝に来ていた。その神社は普通の神社なのだが、俺にとっては普通ではない……否、俺にとってはもはや全てが普通ではないのだ。石畳は一枚一枚が、地平線まで見通すことすらできないほど広大な大地となっており、尋…

縮小魔法医セドリック2

僕はセドリック・カルノー。魔法医と呼ばれる職についている。魔法医とは名前の通り、己の魔法の力を持って患者を治療する医者のことだ。普段もあまり人が来ない診療所だが、今日は特別閑古鳥が鳴いている。 「セドリック先生。少しよろ…

縮小魔法医セドリック1

「先生、その……私の体が変なんです」 思春期ほどの少女が、僕に相談を投げかける。ブロンドの髪を持ったツインテールの彼女は体の悩みを持っているようだ。僕はこの街でほそぼそと、魔法医と呼ばれる職についている。ネームプレートに…

2人のお花摘み

俺は冒険者のヨハン。今は近くの村からの討伐依頼で植物型モンスター「トリフィド」の討伐をするため森を訪れている。 「あ、あの……ヨハン。トリフィドはまだでしょうか……?」 こっちは相棒のセレナ。頼りになる治癒術師……なのだ…

眠れる少女

ここはとある冒険者の宿。ここでは日々様々な依頼が舞い込み、冒険帰りの冒険者たちが酒を交わしていた。そんなある日、一人の眠れる少女を連れた老紳士が急ぐ様子で扉を開き、一言。 「誰か……危険な地へ乗り込んでいただけるものはお…

膀胱壁の中にいる!

「ここ……は……一体?」 気がつくと俺は狭い空間にいた。街で購入した暗視魔法のかけられたゴーグルのおかげでなんとか周囲の様子は伺えるが、どうやらここ上部に2つの穴と下部に一箇所出入り口と思われる窪みがあった。周りは真っ赤…

縮小魔法 後編

ボーレキングダム。ここは魔法学校の設立によって様々な魔法の研究が盛んな国である。特に首都にある中高大一貫のボーレ学園は総生徒数が三千人を遥かに超えるマンモス校で、特徴的な学生や教員が日々学問を追求している。しかし、在校生…