縮小魔法 後編

ボーレキングダム。ここは魔法学校の設立によって様々な魔法の研究が盛んな国である。
特に首都にある中高大一貫のボーレ学園は総生徒数が三千人を遥かに超えるマンモス校で、特徴的な学生や教員が日々学問を追求している。
しかし、在校生が多ければそれだけ問題も発生する。
中等部で発生したとあるいじめ問題、その顛末を覗いてみよう。

ここはミナモ・イズミの家。
レンガ造りの邸宅が主流の街では異質な、海外の宗教様式に則った建築である。
ジンジャと呼ばれる一種の神殿に、彼女たちは住んでいる。
先日、クラスのいじめっ子であるガングロ女子に一家の大黒柱の父が誘拐された事件があったが、それは平穏無事……とは行かなかったものの解放されることとなった。
だが、その事件によってミナモは一人の男子生徒、クリスを匿うこととなった。
クリスはミナモをいじめるために縮小魔法のスクロールによって縮められた男子生徒で、ミナモの父を解放する条件としてミナモはクリスを呑み込むこととなったのだ。
その事件はミナモがクリスに環境適応の魔法を使用することで死者を出さずに終えることができたが、いつまで経っても彼は小さな体のままであった。

「このままじゃ、ダメだと思うんだ」

「うん、このままだとクリス君は学校に出席できないし、困ったことになるよね……」

ミナモとクリスは神社に用意されている室内で思案する。
ミナモは自宅であっても巫女服を着用しているが、一方でクリスは小さな体に見合った服がないためミナモが手縫いした小さい、若干不格好な服を着ている。

「よし、ここは思い切って直談判といこう」

「ええっ、あの子に会いに行くの……!?」

あの子、とは件のいじめっ子ガングロ女子である。クリスはその女子に直接頼んで元の体に戻して貰おうというのだった。

「危険だけどそれが良さそう……なのかな?」

「じゃあ明日にでも会いに行こう。危険があるだろうけど、このままでいるよりはいいはずだ」

「そう、しようか」

ミナモは不安な様子だがそれでも了承した。
いじめっ子であるガングロ女子に自分から会うのが不安だというのもあるが、それ以上にクリスになにかされるのではないかという嫌な想像が彼女にはあった。

翌日。
ボーレ学園中等部二年の教室にて彼女たちは対面していた。

「それで、いい加減に俺を元の体に戻してもらいたいんだ」

「えー、私そんなことできないしぃ。呪われたアイテムなんてこっちだって想定外だし」

元凶であるガングロ女子は悪びれた様子もなく、元に戻すのは不可能だとい言い切る。

「そんな!! それじゃあクリス君はこれからどうしたら……!」

「そんなこと言われてもねえ。……あ、そうだ。いいこと思いついた!」

ガングロ女子はニヤリ、として提案する。

「クリスの体を元の大きさに戻したいんだよね。そのためなら何だってする?」

「彼は私に巻き込まれただけです。クリス君が元の体に戻れるなら何だってします!」

「そう。じゃあ彼を借りてくねえ」

「あっ、おい!」

ガングロ女子は二人の返事も聞かずにクリスを掴んで去っていく。
クリスは急に掴まれた勢いで胃の中身を戻しそうになるが、ここで戻したら何をされるかわからないためどうにかこらえる。

「わ、私はどうしたら……」

一人残されたミナモは攫われたクリスを不安になりながら待つこととなった。

ボーレ学園中等部一年。
ここには小学校から上がってきたばかりで、まだ幼さを多く残す少年少女たちが通っている。
クリスの妹であるモニカもここに通う生徒の一人だ。
しかし、彼女は急に行方不明となった兄を心配して授業に身が入らない。
もっとも今は昼休みで、彼女は憂鬱になりながら紫色のツインテールを机に垂らして過ごしているのだが。

「はあ、お兄ちゃんどこに行っちゃったんだろ……」

「はあい、貴女、クリスの妹だっけ」

と、そこにガングロに染めた女子生徒が現れる。

「あ、貴女は……?」

「私は貴女のお兄さんの居場所を知ってるわよ。教えてほしければ……」

「教えてください!!」

ガングロ女子が言葉を最後まで言い切る前に、モニカは身を乗り出して言う。

「落ち着きなさいな。貴女のお兄さんの居場所が知りたいなら、私の実験に付き合いなさい」

「実験……? なんでもやるので教えてください!!」

「へえ、やる気のある子は嫌いじゃないわ。じゃあ今すぐ体育館の裏に来なさい。そこで実験の準備をするから」

「体育館裏……? わかりました」

モニカはその言葉に不安を覚えたが、兄の居場所が知られるならと覚悟を決めて体育館裏へと向かう。

「来たわね」

体育館裏では約束通り、ガングロ女子が待ち受けていた。
彼女は手に一枚のスクロールを手にしている。

「一体ここで何を……」

「貴女は何もしなくていいわよ。私が魔法のスクロールを使うだけだから」

「え……?」

モニカはその言葉に警戒するが、既に立ち去るには遅かった。

「『エンチャント・ペニス』!」

ガングロ女子が使った魔法、それは女性の股に男性器を作り出す魔法であった。
事実、モニカの股には新しく象の鼻のような男性器が生えてくる。

「きゃっ! な、何をするんですか!?」

「言ったじゃない、何でもするって。それに、本番はこれからよ」

ガングロ女子は言うと、モニカに近づきスカートを無理やり脱がす。

「や、やめてください!!」

「あら、お兄さんに会いたくないの?」

「そ、それは……」

モニカは必死に抵抗するが、兄と会えると聞くと抵抗をやめる。

「つ、続けてください……」

「いい子ね。……ショーツも脱がすわよ」

モニカの、リボンが付けられた白いショーツも脱がされる。
モニカの股ぐらに生えているもの、それは12歳の少女のモノとしてはあまりにも立派な一物であった。

「へえ、これが貴女のおちんちんなのね」

「……恥ずかしいです」

「立派なんだから誇りなさい。それじゃ、挿れるわね」

「え、何を……ですか?」

「貴女のお兄さん」

「え……は!?」

モニカは言葉の意味を理解できずに呆然とするが、そのスキを突いてガングロ女子はモニカの男性器を掴み、男性器の皮を剥くと尿道へと小さなカプセルを突っ込む。
よく見るとカプセルの中には小さな人形が入っており、肉眼で視認するのは非常に困難であるがその人形はクリスその人であった。
そう、クリスはガングロ女子に連れ去られた後更に縮小魔法がかけられていたのであった。

カプセル内部のクリスの目の前に、巨大な肉棒が現れる。
これは自分の妹、モニカに魔法の力で生やされた男性器、それは中等部二年の自分のモノよりも大きなものであった……無論、元の大きさと比べても。

「これ……モニカのチンコなのか」

無駄に通気性がいいカプセルの内部にはモニカの股間から放たれる少女の臭い、それに尿のアンモニア臭が漂ってきて、クリスの平静を奪い取る。
もはや暴れたところでどうにもできないことを悟ったクリスは自らの運命をガングロ女子とモニカへと託す。

クリスが入れられたカプセルはガングロ女子の手によってモニカの尿道へと挿入される。

「痛っ!」

「我慢しなさい。貴女のお兄さんが入ってるんだから」

カプセルはモニカの尿道へと挿入される。
清掃が行われていない尿道内部からは強烈なアンモニア臭が漂い、クリスの嗅覚を襲う。

「さっきから臭いな……これがモニカのおしっこの臭いなのか」

カプセルは魔法の力によって赤く染められた肉の洞窟を進んでいく。
数分ほど経過すると、道は二手に分かれる。それは膀胱へと続く道と精巣へと続く、射精管であった。
カプセルは迷うことなく、射精管へと流れるように進んでいく。
射精管。当然女性であるモニカには本来存在しない器官であるが、魔法の力がかけられた今は新しく作られた管である。
精巣で作られた精子はこの管を通って尿道へと合流し、体外へと射精される。
ここを逆流するということは、すなわちクリスの行き先はモニカの精巣ということになる。
そして、カプセルは遂に精巣へと到達する。

新しく生まれたばかりのそこはただ、働きだけはしっかりしているようで辺り一面が白濁とした海で覆われていた。

「これが、モニカの精液……?」

精液、女性なら当然作るはずのない液体。
その液体の海に自分は漂っていた……カプセルは既に消滅していた。
どうやら今までクリスを運んでいたカプセルは時限式で消滅するよう仕掛けられていたようで、今はこの広大な精液の海にひとりぼっちで放り出されたのが現実のようだ。

「は、はは……これから俺、どうなっちまうんだ」

周囲の精液に取り込まれていき、自身もモニカの精液の一部へと変えられつつある中クリスは絶望し、しかし若干の希望、唯一の希望を口にする。

「でもまあ、モニカの栄養になるならまだマシ……か? いやでも精液なら射精で外に出されちまうかな……」

そしてクリスの体は完全に消滅し、しかし意識だけは未だモニカの精液の中に存在していた。

「お兄ちゃん……お兄ちゃん……!!」

体育館裏、モニカは泣いていた。

「ああもう、貴女が言ったんじゃない。お兄さんに会いたいって」

「でも……こんなこと……!!」

「じゃあ、貴女がお兄さんにもう一度会う方法を教えるわね」

「…………!!」

「放課後、ここに変わった服の女子生徒が来るから彼女を襲いなさい……その立派なおちんちんでね」

「なんでそんなことをしなければ!」

「なんでって、貴女のお兄さんは貴女の精液になったのよ。それで他の女を孕ませればお兄さんを産み直してもらえるじゃない。もちろんお兄さんを産んでいいっていう人を誘導するから安心しなさい」

あ、そのおちんちんを弄ったらお兄さんが排出されちゃうかもしれないから注意しなさいね。
そう言い残して、ガングロ女子は去っていく。

「私は、どうしたらいいの……教えてお兄ちゃん」

放課後。
約束通り体育館裏には二人の少女がいた。
片方はボーレキングダムでは珍しい、巫女服の少女。もう片方は紫のツインテールをした少女。

「貴女……は……?」

巫女服の少女、ミナモが不意を突かれたように疑問を口にする。
彼女は昼休み終了間際、ガングロ女子に体育館裏に行くように誘導されたのだがそこにガングロ女子以外の女子生徒がいるとは思わなかったのだった。

「……ごめんなさい!!」

ツインテールの少女、モニカはミナモに体当たりをして地面へと押し倒す。
そして、乱暴な手付きでその巫女服、それに袴を剥いでいく。
周囲に散乱した紅白の衣装の上には陶磁器のようなつややかな肌をした少女が投げ捨てられたように横たわる。

「何……を……!?」

「これも……お兄ちゃんのためなんです!」

モニカは自らに生えた陰茎を、ミナモの膣へと無理矢理に挿入する。
まだ12歳の少女には性の知識は足りず、ただどこかで読んだ成人向け雑誌の知識のみでミナモの女体を乱暴に扱う。

「いや……助けて……!!」

助けを求めるミナモに対してモニカは容赦なくその肉棒を突っ込み、小さな体を裸の少女の上へと重ねてひたすらに上下する。
まだ処女の体であったミナモの膣からは処女膜が破れた証である赤い液体、多量の血液が流れ出す。
流れた血液はミナモの股、それに白い巫女服を赤く染め上げる。
モニカのピストン運動は日が暮れるまでひたすら続けられた。

モニカの精巣、そこに意識のみの存在で揺蕩う者がいた。
クリスだったその存在は今は完全にモニカの精子の一つとなりいずれくる射精の時を待っていた。
白濁の水面が揺れ、波を作り出す度に精液の一部が射精管を通って体外へと排出される。
その動作が何度か繰り返された後、遂にクリスの意識を乗せた精子もまたモニカの体を出ていくこととなった。
再び尿道を通った先にあったもの、それはミナモの膣内であった。
ミナモの温かい体温に包まれたまま、その精子は真っ赤な膣の洞窟を進んでいく。モニカの肉棒が擦れないようにするための潤滑液として、膣壁から滲み出てきた愛液を泳ぐようにしてたどり着いたのは子宮。ミナモがこれから産むであろう赤ん坊を作り出すための空間であった。

「(俺は……ここでモニカとミナモの子供として……?)」

気がつくと、目の前には巨大な球体が存在していた。
クリスはその球体、卵子に迷うことなくその身を差し出し一体化する。全ては、ミナモの子供として再び世に産まれ直すために。

後日。
全てが終わり、冷静を取り戻したモニカは再びミナモと対面する。

「ごめんなさい!!」

「……一体、何があったのですか?」

罪悪感でいっぱいのモニカに対し、ミナモは以外にも冷静であった。

「その……顔が真っ黒の人にやれって言われたんです。そうすればお兄ちゃんがもう一度産まれるからって」

「つまり、私の中にはクリス君がいるのですね」

「おそらく、ですが……」

モニカは不安そうに答える。
性知識が殆ど無い彼女でも、必ずしもクリスがなった精子が受精したとはわからないのはわかる。

「じゃあ、こうしましょうか」

「……?」

「私と貴女で、私達の子供を育てましょう。それが、クリス君に対してのけじめだと思います」

「……はい!」

かくして数カ月後、14歳の母となったミナモは周囲の環境を説得してその身に孕んだ子供を産む。
立派な赤ん坊となったそれは、どこかクリスの面影を強く残していたのであった。

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