爆弾解体

今、俺達はコンビ結成以来最大のピンチを迎えている。
相棒であるレンジャーの少女、クロエにとある状態異常がかけられたのである。
その状態異常とは……

「身体爆弾化……」

クロエが口にしたそれは、身体の一部分が爆弾となって、次第に爆発してしまう恐ろしい状態異常。
外見上、現在の彼女には異常は見当たらないが、病院で検査をすると彼女の下腹部に爆弾があることが判明した。

「クロエ、何か心当たりはないか? 今普通に動けていることから、内臓がやられたわけではなさそうだが……」

「うっ、うーん……もしかして」

どうやら彼女には心当たりがあったようだ。それは、一体……

「心当たり、あるのか?」

「う、うん。もしかしたらなんだけど……」

クロエは赤面し、恥ずかしそうにしながらそれを口にする。

「石、かもしれないの」

「石?」

はて、身体の中に石とはどういうことか

「前に病院で検査をしてもらったら、私のその……膀胱の中に石ができてるんだって。尿管結石っていうんだけど」

「尿管結石……おしっこをするときにすごく痛くなるっていうやつか」

「うん……もしかしたら、それが爆弾になっているのかも」

「なるほど。……つまり、爆弾はクロエの膀胱の中か」

「た、多分」

「おしっこと一緒に出てきたりはしないのか?」

「私の中の尿管結石、大きめらしくて。それで爆弾も出てこないのかも」

「そうか……」

「ど、どうしよう……このまま私、死んじゃうのかな?」

クロエは怯えている。爆弾がいつ爆発するのかはわからないが、いつ死んでもおかしくない状況なので当然だろう。

「大丈夫、君は俺がなんとかする」

「で、でも! どうやって膀胱の爆弾を止めるの?」

「幸い俺は薬屋に伝手がある。そこで縮小薬を融通してもらうんだ。それで……」

「それで……?」

「君の膀胱の中に入って、爆弾を解体する。なあに、俺はシーフ。罠解体のプロフェッショナルだ。安心しろ」

「うぅ……恥ずかしいけどお願いするね」

それから、俺達は薬屋から縮小薬を貰って今に至る。
出費は痛かったが、大事な相棒の命には代えられない。

俺たちは万が一のことを考えて、周囲に人がいない草原で作戦を開始した。
クロエは自ら股ぐらを開き、小さくなった俺と向かい合う。
その表情は沸騰寸前のヤカンの様に真っ赤で、今すぐ体内の血液が沸騰しそうに見える。

「シリル、どう? 入れそうかな?」

「ああ。ちょっと大変そうだがなんとか登れそうだ」

目の前に広がる巨大な断崖。
中央はクレバスのように巨大な桃色の陰唇が広がっており、俺はそのシワを伝って登る。
クロエという名の巨大な山は、この世のどの山よりも高く聳えていたが幸い俺が目指すのはその中腹ですらない。
クロエは俺が侵入しやすいように己の外陰部を広げてくれている。おかげで俺は苦労することなくその内部に入り込めた。
だが、いつ爆弾が爆発するかもわからない状況。
クロエが身体を洗う余裕すらなく、せいぜいが膀胱進入時に起きうる排尿を防ぐために事前におしっこをしていただけだ。
故に、小陰唇の内部は尿の臭いで充満していた。その臭いは、尿道に入る前から俺の決意を鈍らせるほどに常軌を逸している。

「シリル、大丈夫?」

動きが止まった俺を心配し、クロエは声をかける。だが、流石に面と向かっておしっこの臭いが辛いだなんて言うことは俺にはできなかった。

「ああ、大丈夫……大丈夫だ」

やせ我慢をしつつ、膣口を迂回して登山を続ける。
辿り着いた先、尿道口はさらなる悪臭が漂っているが、ここまで来たらもはや関係あるまい。
俺の鼻は既に曲がり切っており、意を決して尿道内部に入り込むのに躊躇いはなかった。

クロエの体温で温められた桃色の洞窟……そこはドクンドクンという環境音が鳴り響く桃色の肉壁で構成されており生命の神秘さえ感じることができた。
洞窟を歩いた先、そこは小さな穴が窄んでいる壁であるが、縮小薬で極小サイズとなっている俺は難なくその壁……内尿道口をくぐり抜けることができた。
クロエの膀胱内部。そこの壁には2つの穴が空いており、黄金の液体が垂れ流される滝が確認できた。
そして、目当ての爆弾は俺のすぐ足元にある。探す手間が省けたのは幸いで、爆弾自体も俺の腕にかかればあまりにも呆気なく解体できた。ついでに細かく分解してしまえば彼女の尿管結石も治るだろう。

「おおーい、爆弾は解除できたぞ。今から出るから、自分のおしっこで汚れないようにな」

俺はそれだけ言って、膀胱内に広がったおしっこの海に潜り、内尿道口をこじ開ける。

「ちょ、ちょっと! 恥ずかしいからおしっこはこっちに任せて……」

と、聞こえた気がしたが時既に遅く。
こじ開けられた尿道口は流れを止めることはできず螺旋を描いて外へと放出される。
俺はというと、黄金のウォータースライダーの流れに身を任せ、あっという間にクロエの体外へと排泄された。侵入するときとは打って変わって脱出に苦労しないのは幸いだ。

「うう、お嫁に行けない……」

「あー、その……ゴメンな」

「責任、とってくださいね?」

クロエは、恥ずかしそうにしながら何処か幸せそうな口ぶりでその言葉を口にし珍騒動は幕を閉じた。

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