2人のお花摘み

俺は冒険者のヨハン。
今は近くの村からの討伐依頼で植物型モンスター「トリフィド」の討伐をするため森を訪れている。

「あ、あの……ヨハン。トリフィドはまだでしょうか……?」

こっちは相棒のセレナ。
頼りになる治癒術師……なのだが、今日はちょっと様子がおかしいように見える。早めに終わらせて休ませないと。

「ああ、もうちょっとで目撃された場所にたどり着くはずだ……ここだな」

辿り着いた場所、そこは木は少なく開けた場所であるが代わりに背の高い草が生い茂る広場であった。

「トリフィドは草に似たモンスターだ。これは骨が折れそうだな……」

「そ、そうですね。早く終わらせたいです……」

交わす言葉も早々に、俺達は戦闘を開始した。
モンスターそのものは大して強くはない。だが、周囲の草に紛れて奇襲を仕掛けられるのは非常に厄介だった。

「っち、状態異常を食らったか、回復を!」

「は、はい……あれ?」

セレナはすばやく回復魔法をかけるが、状態異常が直った兆しはない。
異常そのものはまだ発生していないため、遅効性の異常には効果を発揮できないのかあるいは回復が効かない特殊な異常か……

「魔法が効かないならしょうがない。早く倒して安全を確保するぞ!」

幸い、地力の低いモンスターであったため謎の状態異常以外に苦労することなく全滅させることが出来た。

「ふう、これで一件落着……うん?」

気がつくと、俺は知らない場所にいた。
そこは茶色の大地が広がり、俺を覆い尽くすように巨大な草が無数に生えている不気味な場所だった。

「ヨハンさーん? どこに行ったんですか?」

上方からセレナの声が聞こえる。
どうやら俺を探しているようだ。声のする方に顔を向けると、そこには驚愕の姿があった。

「セレナ!? どうしてそんなに……」

俺が空を見上げると、草の隙間から巨大なセレナの姿が見える。
周囲の巨大な草、それにセレナの姿を見るに俺がかかった状態異常の正体は遅延性の縮小化だったのだろう。

「セレナ! 俺はここだー!!」

精一杯声を上げる。だが、彼女の耳には届かないのかセレナはどんどん慌てた様子を見せる。

「うう……ん。もう、限界です……!」

その言葉を皮切りに、彼女はスカートを下ろしてしゃがみ込む。……俺の頭上に。
俺の目前にはセレナの巨大な陰部が映り込む。
適度に切り整えられた陰毛に覆われたワレメはきれいな色をしているが、これから何かが起こることを暗示するようにヒクヒクと鼓動していた。

「ま、待ってくれ! 俺がここにいるんだ!」

最後の足掻きで俺は叫ぶが、縮小化の影響なのか声が相対的に小さくなっており、やはり彼女の耳には通らない。
そして……

ジョボボボボ……

セレナの尿道口は決壊を起こし、膀胱に溜まっている小水を排尿する。
ここまで身体を動かしていた彼女は水分が汗に取られていたのか、そのおしっこは塩分が濃く濃い黄色に染まった黄金水である。
俺の頭上、セレナのワレメから降り注ぐ黄金の滝に弾かれる形で俺は後方に飛ばされる。

「ふう……」

黄金のスコールは止み、セレナの安堵した声が聞こえる。
だいぶ気まずいことになったが、これで彼女も俺を探すことに集中できるだろう。
そう、思っていたのだが……

「うう、お腹の調子がやっぱり悪いです……」
俺の頭上を覆い尽くすセレナの身体の中からは、グルグルという嫌な音が轟いている。
これは……まさか
嫌な予感は当たるもので、セレナが立ち去る様子はない。
俺の頭上には双子の山が逆さに迫っている。
薄桃色をしたその山は、谷間の菊の門をヒクヒクと開閉させてはプスプスと、硫黄の腐った卵の臭いを放出させる。

「うう、ん……!」

ブリュリュリュリュ……ボドボドボド!

頭上の菊門は大きく開き、液体状の茶色いモノを俺の身体に降り注ぐ。
これはセレナの下痢便……いくら頼りになる相棒でも養護できないほどの悪臭を放つウンコであった。

「ちょっとお腹がスッキリしました。とりあえず隠さないと……」

セレナは自らの恥ずかしい代物を隠蔽するべく、周囲の土をかき集めて下痢便を隠そうとする。
そこでようやく、下痢便の中でうめき声を上げる俺に気づいたのだろう。

「え……ヨハンさん!?」

「よ、よう……」

「ど、どうして、その……私のうんちの中にいるんですか!?」

「どうやらトリフィドの状態異常は縮小化だったらしい……あとは、その、察してくれ」

ともあれ、これで一件落着。
俺の身体はセレナが身を挺して下痢便の中から救出してくれ、然るべき処置をした後状態異常を治してくれた。
村からは報酬を貰い、これからも俺たちの冒険は続いていく。

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