狐祓い
時は安政の世。江戸の街を徳川将軍家茂が収める時代。とある山奥の神社に、二人組みの人影が姿を表した。方や元服を終えたばかりの、まだ少年と言っても差し支えないだろう出で立ちの男。もう一方はその母親だろうか。狛犬はその二人を無…
時は安政の世。江戸の街を徳川将軍家茂が収める時代。とある山奥の神社に、二人組みの人影が姿を表した。方や元服を終えたばかりの、まだ少年と言っても差し支えないだろう出で立ちの男。もう一方はその母親だろうか。狛犬はその二人を無…
シューリック王国、ネイバタウン。ここは一見すると水車が目立つだけの、田舎町だ。しかし、そんな田舎には知る人ぞ知る錬金術師が暮らしていた。今日も錬金術師の薬を求めて、一人の少女が訪れる…… カランコロン赤レンガの屋根をかぶ…
今、俺達はコンビ結成以来最大のピンチを迎えている。相棒であるレンジャーの少女、クロエにとある状態異常がかけられたのである。その状態異常とは…… 「身体爆弾化……」 クロエが口にしたそれは、身体の一部分が爆弾となって、次第…
前略、お父上、お母上。どうやら俺はサハラ砂漠で枯死しそうです。……突然何があったのかと言うと、俺はひょんなことから警備をすることになった麗華お嬢様の付添でサハラ砂漠へ旅行に来ていたのだが、遭難してしまったのだ。 「それで…
俺は今、とある神社に参拝に来ていた。その神社は普通の神社なのだが、俺にとっては普通ではない……否、俺にとってはもはや全てが普通ではないのだ。石畳は一枚一枚が、地平線まで見通すことすらできないほど広大な大地となっており、尋…
ときは戦国の日本。乱世を生きるために各国の長たちは積極的に忍者を使用した情報戦を戦っている世界。そんな時代に俺は、忍者の一流派である「縮身流」の一人として生を受けた。だが俺は、任務の終わりに単純な失敗を冒してしまい敵対す…
僕はセドリック・カルノー。魔法医と呼ばれる職についている。魔法医とは名前の通り、己の魔法の力を持って患者を治療する医者のことだ。普段もあまり人が来ない診療所だが、今日は特別閑古鳥が鳴いている。 「セドリック先生。少しよろ…
「先生、その……私の体が変なんです」 思春期ほどの少女が、僕に相談を投げかける。ブロンドの髪を持ったツインテールの彼女は体の悩みを持っているようだ。僕はこの街でほそぼそと、魔法医と呼ばれる職についている。ネームプレートに…
――その男は、かつてとある少女の『マスター』と呼ばれる存在であった。しかし、今はどうだ。四方を取り囲むは巨大な鼠、蟷螂、蟻……そして頭上には多数の雀の姿がある。その上、宙空には巨大な『少女』の顔。いずれも『彼』を狙い、に…
俺は冒険者のヨハン。今は近くの村からの討伐依頼で植物型モンスター「トリフィド」の討伐をするため森を訪れている。 「あ、あの……ヨハン。トリフィドはまだでしょうか……?」 こっちは相棒のセレナ。頼りになる治癒術師……なのだ…