朝の検査(小説版)

fantiaの500円プラン作品2021年10月号その1のサンプルとなります。
今月は少なくともあと1本投稿予定です
本投稿では作品内から一部分を抜粋しています。
https://fantia.jp/posts/924577

 もっとも、膀胱内に器具を挿入して酵素を取り出すという手段もなくはないのだが……毎日その検査を行うというのはまだ小学生の早紀には苦痛が大きく伴うだろう。
 というか、仮に社会人の僕が同じ立場になったなら、そのような毎日は僕でも勘弁願いたい。

「うん。いつもどおりお股の筋を広げてもらえれば中に入るよ」
「こう、ですね」
 早紀は僕の指示に従い、陰唇を二本の指で広げる。
 陰毛が生えてきたばかりの少女の股は、巨大な柱によって大きな裂け目を開いた。
「ありがとう、これで入れるよ」
 僕は早紀の股をよじ登り、陰唇の内側へ侵入する。そして、更に上へ上へと登ると独特の刺激臭が鼻に突き刺さる。
「(いつもだけど、アンモニアの臭いがキツいな)」
 早紀はおしっこの後に雫を拭き取らない、わけではない。
 単純に極小サイズの僕にとっては、些細な臭いも強いものとして受け取ってしまうだけの話だ。
「大丈夫でしょうか?」
「ああ尿道口までは来たから後少しだよ」
 おしっこの強烈な臭いに顔を歪めてしまうが、登攀はやめず早紀の尿道内へと侵入する。

 早紀の尿道内。そこは肉壁に覆われた洞窟だ。壁は内側を通る血管により薄桃色となっており、その奥からはザァザァという血流の音が聞こえてくる。
 本来、光源のないこの空間は暗黒なはずだ。だが、不思議と僕の視界は正常に機能している。これも、小さくなったがゆえに光の刺激を多く受け取れるようになったということなのだろうか。
「尿道内に異常はない……な」
 おしっこが日々流れるトンネルを歩く僕。通路にはところどころ、流れきることがなかった尿の痕跡が見受けられるが大きな異常はなさそうだ。
 尿道の奥へと辿り着く。ここは膀胱括約筋によって塞がれる壁となっているため、目的地に入るには早紀の協力が必要だ。
「尿道の奥まで着いたよ。入り口を開けるから、リラックスしておいてね」
「…………」
 しかし、いつもならすぐ返ってくる返事がなく、代わりに届いた言葉は予想外のものだった。
「す、すみません! ちょっとおしっこが漏れてしまいそうです!!」

 ジョボッ!

 忠告はしてもらえたものの、実際のところ猶予はなく。今まさにこじ開けようとしていた膀胱括約筋の向こうから黄金の鉄砲水が飛び出してきた。
 尿道の外へ流されてしまわないように、なんとか踏ん張りは効かせることができたのは幸いだ。
「すみません……大丈夫ですか?」
「ああ、なんとかね」
 予想外のトラブルではあるが、正直この程度なら慣れている。それに、排尿によって膀胱内のおしっこが減るという怪我の功名もある。

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