座薬・インサート(サンプル)

fantiaの500円プラン作品2021年6月号のサンプルとなります。
本投稿では作品内から一部分を抜粋しています。
https://fantia.jp/posts/775296

 これは人体実験も含まれているのだが、多くの場合は金持ちの享楽に過ぎない、退廃的なものだ。科学技術の発展で人類は栄華を甘受しているが、同時に倫理観は酷く失われていた。
「ベリーハード、内容は……」
 ストレス実験は過酷であれば過酷なほど対価が多くもらえる。特にベリーハードは肉体的なストレス、精神的なストレスどちらにせよ地獄めいたものだが、報酬は相当なものだ。
「座薬体験、か……」

「さて、準備はいいかな?」
 白衣を着た女性がこちらに確認を取る。彼女も、一見すると人間だがあくまでロボットだ。
「ああ。いつでも頼む」
「お、お願いします……」
 覚悟はできている俺と打って変わって、緊張した声色の少女が隣りに座っていた。
 年の頃は14といったところだろうか。肩まで下ろした黒髪が印象的だ。学校帰りなのだろうか、近くの学校の制服を着ているがここは役所。明らかにいかがわしい仕事であっても、合法的な機関だ。学校が許可を出していることも珍しくはない。
 生活費のためか、遊ぶためのお金が欲しかったのか。どちらにせよ、年端も行かぬ少女がストレス実験を受けるのは世も末だな。
「では、試験体田中に縮小処置を施す」
 女性型ロボットの案内に従いカプセルへ入ると、カプセルは閉鎖され外でロボットがコンピュータを操作している。
 ひとしきりの操作が終わると、カプセル内には眩い光が放たれ、一瞬の内に俺の身体は縮んでいく。
「なんど受けても、この光景は慣れないな……」
 女性型ロボットの手のひらに乗せられてカプセルから出ると、そこには100倍に拡大された研究室が広がっていた。
 俺はもうひとりの被検体の少女……雪というらしい彼女の胸元まで運ばれた。見上げると、そこには少し怯えた表情の雪ちゃんの顔が広がっていた……彼女の顔を遮るものはない。発育はあまりよろしくないと伺えた。
「本当に、人が小さくなるんですね」
「ああ。俺は何度かこういう実験を受けてるから少しは慣れたけどな」
 現代の科学技術の発展は限度を知らず、一時的に人間を小さくするなんて芸当も簡単にできてしまう。だからこそ、その技術が金持ちの享楽に利用されることもあるし、政治家による人減らしという闇もあるのだが。
「続いて、試験体雪は下着を脱ぎ、臀部を出しなさい」
「し、下着を……ですか」
 女性型ロボットは雪ちゃんに指示を出すが、当の雪ちゃん自身は困惑している様子。やはり、ストレス実験には慣れていないのだろう。
「貴方はこれから試験体田中を座薬とした、人間座薬試験の治験を受けるのでしょう。下着は脱がなければなりません」
 女性型ロボットは論理的な口調で、雪ちゃんを諭す。それに従い、渋々ではあるが彼女も下着を脱ぎだした。
 流石に男性である俺の前だからか、後ろを向きながらだが。スカートを脱ぎ、籠に入れるとそのまま薄桃色のパンティを脱いで次の指示を待つ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です