fantiaの500円プラン作品2021年11月号その2のサンプルとなります。
本投稿では作品内から一部分を抜粋しています。
https://fantia.jp/posts/1011007
「良かろう、試練を乗り越えた暁には貴様の願いを叶えてやろうではないか」
「ちょっと、試練とかそんな勝手に……」
一方的に突きつけられる“試練”という言葉に嫌な予感しかしない。
僕は当然拒絶の声をあげるが、その言葉は無視され異変が襲ってくる。
「う、うわああああ!!」
全身を包み込む灼熱。今にも身が爛れそうな熱さに意識を手放してしまった。
「一体、何が……」
再び意識を取り戻したとき、周囲の光景は一変していた。
賽銭箱の前にいたにも関わらず、社の姿は見えず。足元は巨大な石畳の通路と、見渡す限り天を衝く巨木の林。
「試練ってなんだ……? よくわからないけど、このまま帰ればいいのか?」
それだけなら簡単だ。僕はとりあえず帰り道を歩くことにした。しかし……。
「痛っ!?」
なにか、見えない壁のようなものに顔面をぶつけてしまう。いわゆる結界というものなのだろうか。
「参道まで飛ばされたのも含めて、神の力ってやつか? ……林の中に解除スイッチみたいなのがあるのかな」
「我が試練は”水の試練”、そして”土の試練”。果たして貴様は生き残れるかな?」
再び脳内に響き渡る、自称神の声。うるさいが、要するにその2つの試練を乗り越えればいいということなのだろう。
結界の解除方法を探しに林を散策すると、ドスドスという地響きと、地震のような揺れを感じ取る。
「地震? それにしては違和感があるような……」
地震のような揺れというよりは、むしろ体育館で一斉に体を動かしたときの床の揺れ方。そちらに近いような気がする。
地響きはこちらに近づいて来るようで、それに応じて振動もどんどん大きくなっていく。
そして、その“揺れ”がこちらに接触したとき、その姿は見えた。
「巨大な……人の足!?」
スニーカーに、ニーソックスを履いた2本の脚。
更に上を見上げると、朱色の袴と純白の和服を身にまとっている少女の姿が見える。
幼い姿から察するに、この神社の娘だろうか。
「もしかして、僕は小さくなってしまったのか!?」
ここに来て、自分の身に襲いかかった現象について理解ができてきた。
神の試練とやらで、体が小さくさせられてしまったのだ。
「うう、漏れちゃう漏れちゃうー。なんで急におトイレが壊れちゃうのー!?」
少女は白いパンツを地面におろし、しゃがみ込む。そして、まるで僕の存在に気づいていないように幼い陰唇をこちらに向けて……。
ジョロロロロ……。
「わっぷ! おしっこ……浴びせないで!!」
小さな膀胱の中に溜め込まれていたであろう尿は、頭上へと降り注がれる。
ジョロロ……ジョボ、ジョボ……。
おしっこの雨は緩やかに止んでいく。だが、少女は立ち去る様子を見せない。
「うう、ん……おっきいのも出そう!」
おしっこをしたあとに出す、”おっきいの”とはすなわち……“アレ”なのだろうか。