【Skebリクエスト作品】晄輪大祭、その舞台裏

Skebにてリクエスト頂いた作品です!
今回頂いたリクエスト内容は「ブルーアーカイブのユウカに気づかれないまま体内探検、後半は丸呑みされて太ももの栄養になる」というものでした。

前回のリクエスト作品も満足いただけたようで、こちらも嬉しいです。

今回はSkebのリクエスト作品ということで、ファンクラブ会員の方であればどなたでも読むことができます。

リクエストありがとうございました!

Skebのユーザーページはこちらとなります。
https://skeb.jp/@shrinker10pyo

 複数の学校によって運営される、超巨大学園都市「キヴォトス」。
 この街では、大運動会であるキヴォトス晄輪大祭が開催されようとしていた。
 キヴォトス晄輪大祭を主催する学校はミレニアムサイエンススクール。そして、その学校の生徒会役員兼、晄輪大祭実行委員の早瀬ユウカという少女は無論、この大運動会に向けて燃えている様子を見せる。
 しかし、その裏で焦りを見せる人物もいる。
 先生……街の治安を維持する超法規的機関、シャーレを指揮する男性。つまり、私のことだ。
 そして、トリニティ総合学園のシスター、伊落マリーだ。オレンジの髪を三つ編みにした、いつもはシスター服の彼女も今は体操服を着ている。
 私達は一本のペットボトルを見ながら、青ざめた顔をして悩んでいたのだ。
 それは、一見すると何の変哲もないスポーツドリンク。しかし、検査をするとなんとドーピング剤が混ぜられていた。
 これを口にしたのは私達とともに行動し、今回の晄輪大祭でも人一倍熱くなっているユウカだが、無論彼女は自ら進んでドーピング剤を飲むような少女ではない。
 おそらくは誰かのいたずら……ヘルメット団と呼ばれるタチの悪いチンピラによる嫌がらせだろう。
 しかし、現実問題ユウカがドーピング剤を飲んでしまったのは事実で、それを取り消すことなどできない。
 これから晄輪大祭の選手に対して行われるドーピング検査に、私とマリーは頭を抱える。

「どうしましょう、先生。ユウカさんに伝えて、参加を辞退してもらいますか?」

「いや、ユウカは誰よりもこの運動会に積極的だった。それに、この大会はミレニアム主催なんだ。彼らのプライドとしても、自分たちからドーピングで違反する選手は出したくないだろう」

「そう、ですよね……でも、それならどうやって解決すればいいのでしょう」

「そうなんだよなあ。既に飲んでしまったドーピング剤を取り除く方法なんて……」

 私とマリーは答えの出ない難問にうんうんと悩み続ける。
 しかし、そんな二人のもとに偶然通りすがったトラブルメーカー……もとい、救い主が現れたのだ。

「ぼく様にいい考えがあるのだ!!」

「誰!?」

「君は……」

 突然の声に驚きを隠さないマリー。一方で私は声の主を見て嫌な予感を覚える。
 薬子サヤ。山海経高級中学校で様々な発明品を作り出す天才発明家……にして、多大なるトラブルメーカー。
 長い銀髪の、ネズミのような姿の少女は私達の反応を気にせず、言葉を続ける。

「要するに、ドーピング検査に引っかからなければいいのだな?」

「そうだけれど、どうやって?」

「ふふーん、実は最近作った発明品の実験台……じゃなくて、発明品が役立ちそうなのだ」

「発明品って?」

「今、嫌な言い直しをしなかったか?」

「気のせいなのだ。それよりどうする、先生?」

「どうするって言っても……やるしかないよなあ」

「が、頑張ってください。先生!」

 その提案に承諾する私を見て、当のサヤ本人は「それじゃあ早速」とカプセル薬を取り出す。

「それは?」

 私は至極当然の疑問をする。しかし、サヤは答えない。

「いいから、飲んでみるのだ」

「怪しいけど……飲むしかないか」

 水とともにカプセルを飲むが、次の瞬間。私に異変が襲いかかる。

「うっ、身体が熱い……!」

「先生!? 一体なにを飲ませたんですか!?」

「なにって、身体を小さくする薬だけど」

 それは、聞いてない……!
 抗議を口にしたいが、身体はみるみるうちに縮んでしまう。
 私と比べて頭一つ分は小さかったマリーも、今では肩が並び……かと思ったら運動用の短パンと向かい合うほど小さくなってしまう。
 しかし、それでも縮小化は止まらずに、私の視線は膝、脛……そして、運動靴のつま先すらも正面から見据えてしまえるほどの大きさになってしまった。
 マリーとサヤの顔など、垂直に見上げなければ見ることさえできない。

「サヤ! こんな身体にしてどうしろっていうんだ!!」

「焦らないのだ、先生。最終的には元に戻す手段も用意してあるからさ」

「もとに戻せるんですか?」

 マリーは突然縮みだした私を心配してくれる。

「当然なのだ。まあ、結構時間はかかりそうだけど、そこはユウカの新陳代謝を信じるのだ」

「なんでユウカを?」

「実は先生が飲んだ薬、縮小病を意図的に患う薬だったのだ」

 縮小病。キヴォトスで時折確認される奇病。感染者は突然身体が小さくなり、最悪誰の目にも見えないほどの存在になってしまうという。

「ぼく様は、縮小病の薬を作ることに成功したのだ。先生が飲んだ薬はその副産物だね」

「それはすごいし、治す手段があるなら安心だけれど……結局この大きさでどうしろと?」

「ドーピング検査はどうやって行うか、知ってるよね?」

「それは……選手のおしっこを調べるんだろう?」

「正解。だから、先生にはこれからユウカの膀胱に入ってもらって、おしっこを浄化してもらうのだ」

 サヤは浄化とやらに使う装置……当然今の私でも持てる大きさのものを取り出した。

「膀胱にって、まさかそのために小さくしたのか?」

「その通り。マリーは適当に理由つけて、ユウカを連れてきてよ」

「先生は、結局大丈夫なんですよね?」

「心配性だなあ、マリーは。大丈夫だから安心してってば」

 とはいうが、マリー同様私もまだ不安は残っている。
 しかし、ユウカのためならば勇気を振り絞るしかない。

 それからしばらくして、ユウカが私達のいる控室にやってきた。
 青い髪をツーサイドアップにまとめた知的な少女は、怪訝そうな表情をしながらもマリーに連れられて来た。
 彼女もマリー同様、いつもの制服から運動着に着替えている。

「一体どうしたのよ。これから尿検査なんだけど……」

 しかし、部屋にやってきたユウカの背後に回り込んだサヤが、彼女の首筋になにかを刺す。

「ちょっと、なに!?」

「君には少し、眠ってもらうのだ」

 そして、ユウカは崩れ落ちるように床へ倒れ込んだ。
 サヤの言葉通り、寝てしまったらしい。

「大丈夫なんでしょうか、今から尿検査って言ってましたけど」

「大丈夫だって。ほら、マリーも実行委員会だし。それにユウカのおしっこはマリーに採取してもらわないとだから、ちょうどいいのだ」

「私が、ですか?」

「そうじゃないと、先生はトイレに流されるけど、それでもいい?」

「それは駄目です!」

 私も、ユウカのおしっこと一緒に流されるのは勘弁願いたい。

「じゃあ、ユウカが起きる前に始めるのだ。睡眠薬はあまり長くないから、手早くね」

 そう言ってサヤはユウカの履くブルマを脱がす。ここには男性の私もいるのだが、もとより股間を隠すような器具もない以上気にしても仕方がないということだろうか。
 ブルマをずらし、その下に履いていたショーツもずらすとそこには衣服というヴェールで隠されていたユウカの秘部が露わになる。

「それじゃあ、マリーは先生をユウカの尿道口まで運んでね」

「は、はい」

 サヤの言葉に従い、マリーは私をつまんで運び始める。
 今のマリーは私から見れば点を貫くような巨人。華奢だった彼女の指も、まるで巨木のようだ。
 しかし、生来の優しさからか。彼女は私を丁寧に運んでくれた。
 そうして、私はユウカの陰唇内側までやってくる。
 膣の上方にある、小さな穴。尿道口は本来、当人ですら視認するのが難しいような穴だが、今の私にとっては奈落の底に通じるような大きな穴だ。

「それじゃあ、手筈通りに頼んだのだ」

 私は、サヤに渡された浄化装置を持ってユウカの尿道に侵入する。
 ユウカの尿道は、当然だがおしっこが分解されて発生するアンモニアの臭いで充満していた。

「これは……やっぱり臭いな」

 いつも文句を言いながらも、学業と並行して私の面倒を見てくれているユウカだが、そんな彼女でも臭いところは臭いということだろう。
 幸い女性の尿道は短いというデータの通り、私の旅は早くも終点にたどり着いた。
 旅の目的地、膀胱。ユウカの身体にとって不要となった老廃物が腎臓で濾過されてできた尿を溜め込む場所。
 そこは彼女が「これから尿検査」と言っていたように、既にユウカ自身のおしっこで一杯になっていた。

「うっぷ!」

 膀胱壁をくぐり抜けて入った先は黄金色の湖。私は思わず、ユウカのおしっこを飲み込んでしまう。
 口いっぱいに飲んでしまったつもりが、おしっこの湖は水量の変化を見せない。
 それだけ私が小さくなってしまった証拠だろう。
 私は湖面に顔を出し、黄金色の湖を泳ぐ。
 おしっこからドーピング剤を取り除く浄化装置は、膀胱壁に取り付けなければならない。
 尿管から流れ続けるおしっこの滝を避けながら、私は浄化装置の設置をこなしていく。
 そして、すべての装置を取り付け終えると同時に、膀胱壁を通して外からの会話が聞こえてくる。

「あれ、私は……」

 どうやら、眠らされていたユウカが目覚めたようだ。

「気がついたんですね、ユウカさん」

「ユウカ、尿検査はまだかな?」

「あっ、そうだ! 尿検査だった! マリー、検査に協力してくれる?」

「はい、もちろんです。行きましょう、ユウカさん!」

 それからユウカはマリーを引き連れて、会場に用意されたトイレへとやってくる。
 道中、彼女の歩行に合わせておしっこの湖面は揺れていたが私はかき乱されずに耐えることができた。

「えーと、最初の方のおしっこは採らないのよね?」

「は、はい。そうです」

「じゃあ、一瞬だけ出すから急いでコップを添えてちょうだい」

 ユウカの言葉が膀胱壁の外から聞こえてくると同時に、膀胱内部では異変が起こる。
 湖底のすぼみが大きく穴を開き、湖は螺旋の渦を描いて外に排出され始める。
 ユウカは、最初のおしっこを流すと言っていた。つまり、それに巻き込まれると私はトイレと一緒に流されるというわけだ。
 それだけは回避しなければならない。
 私は外に向かって流れるおしっこに逆流するように、全力で泳ぐ。

「はい、これでいいんじゃない? コップを添えて」

 外ではちょうどよく合図が聞こえてくる。膀胱内の渦は止まっているが、私はすっかり湖底の側まで吸い込まれていた。
 どうやら相当危なかったようだ。
 そうして再び膀胱の湖底に穴が空き、私はそこから外へと排泄される。

 じょぼぼぼぼ……!

 透明なコップの床に向かって勢いよく排泄される、ユウカのおしっこ。そして、それと一緒にコップの壁に叩きつけられる、私。

 じょろろろろ……。

 ユウカのおしっこは頭上から未だに流れ続ける。が、それも次第に弱まっていき、ついには終息を迎える。

「ふう、寝ちゃってからかしら。ちょっと多かったかもね」

「いえ、大丈夫ですよ。お疲れ様です、ユウカさん」

 その後、私は手筈通りにマリーに救出されて再びサヤのいる控室にやってきた。

 控室では、私達を待っていたサヤに作戦計画の最終段階を伝えられる。

「これで尿検査はスルーできるけど、晄輪大祭のドーピング検査は甘くないよね?」

「ああ、そうだな。晄輪大祭は尿検査の他にも、血液検査でもドーピングをチェックする。そこはどうしたものか……」

「それも大丈夫なのだ。実は先生に飲ませた薬なんだけど、ただ縮小病を起こすだけじゃないよ」

「他にもなにかあったんですか?」

「実は、あの薬を飲んで小さくなった人は、食べると血液が正常化されるのだ」

 知らないうちに人体改造されていた事実に驚愕するが、見過ごせない言葉があった。

「食べると?」

「うん。先生を食べると、その影響でドーピングの効果も全部なくなるのだ」

「いや、食べられたら死ぬんじゃないか!?」

「大丈夫だって。あとで先生はユウカのおしっこから再構成できるようになってるから」

「サヤの技術力も恐ろしいが……それはもはや私じゃなくユウカのおしっこなんじゃないか?」

「それは哲学的な問題だから無視するのだ」

「でも、どうやって先生をユウカさんに食べさせるんですか?」

 キヴォトスの良識、マリーすらサヤの奔放な作戦に慣れてしまったらしい。

「うーん、ユウカの好物に混ぜるとかかな?」

「ユウカの好物……コーヒーか?」

「それなのだ! じゃあ、マリー。あとはよろしくね」

「あとはって……なんでしょう?」

 マリーはサヤの言い回しが気になる様子だ。

「コーヒーだけじゃなく、ユウカがおしっこする度にそれを採取して欲しいのだ。可能な限り全部」

「全部ですか!?」

「先生を再構成するには、そうしないといけないのだ。ほら、ぼく様何故か怪しまれてるし」

 なぜ……だろうな。怪しまれる理由はどうしてかなんとなくわかる気がするが。

「わ、わかりました。それじゃあ、先生をアイスコーヒーに混ぜて飲んでもらいますね」

 その後、ユウカは再び呼び出したマリーに違和感を覚えながらも、怪しむことなく私の入ったコーヒーに口をつける。
 コーヒーカップの内側では、注がれたコーヒーがユウカの口に向かって濁流となって私に襲いかかるが、それに抵抗することはない。
 私の目的地も、ユウカの体内だからだ。

「ふう、なんだかわからないけどありがとうね、マリー」

 ユウカの口内は一瞬で通り過ぎ、食道内。声帯が震わせる声を全身で受け止めながら、私は胃の中まで運ばれていく。
 ユウカの胃は、人体の内部というグロテスクなイメージとは裏腹に健康的で綺麗なピンク色の空間だった。
 しかし、胃壁こそ綺麗なものの、そこは食べ物を溶かし尽くすこの世の地獄。
 彼女が食べた昼食はまだ胃袋に残っており、そしてそれらは胃液と胃の蠕動運動によってドロドロに溶かされていた。
 胃の活動もまだ活発で、なんの装備もなしに胃へ放り込まれた私はあっという間に溶かされ、蠕動運動で全身が砕かれてしまう……。

 それからどれだけの時間が経ったのだろうか。
 私はユウカの胃袋で砕かれた後、彼女の体内を血流とともに旅をして、最終的にある場所へたどり着いた。
 そこは、ユウカの太もも。
 私はユウカに食べられたことで彼女の太ももの養分となったのだ。
 つまり、この太ももを起点に彼女の血液は浄化される。サヤの特別な縮小薬を飲んだ、私の影響で。

 そして、数日経った頃。ユウカの太ももとして生きていた私に変化が起こる。
 私の意識は再び血流に流れ込んだのだ。今度の旅先は、腎臓だった。
 ここは人体の老廃物が選別、濾過されておしっこになる臓器。
 つまり、私はついにユウカにとって不要な存在となっていたわけだ。
 サヤは言っていた。ユウカのおしっこから私を再構成すると。
 つまり、計画は最後まで順調に進行し、これで終わりを迎える。
 数日間、ユウカの膀胱や体内を巡ることで彼女をより深く知ることができた気がする。
 今回の騒動は災難だったかもしれないが、キヴォトスで“先生”をやるならいい経験になった……かもしれないな。
 膀胱に送られた私は、その湖底に穴を見た。
 ちょうど、ユウカが排尿する直前だったらしい。
 螺旋を描き、私は数日ぶりに外の世界へ帰ってくる。
 私は黄金の液体として、ユウカから再び現世に産まれ落ちた。
 もっとも、ユウカ自身は私を“産み直した”などと考えもしないだろうが。

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