fantiaの500円プラン作品2021年10月号その3のサンプルとなります。
本投稿では作品内から一部分を抜粋しています。
https://fantia.jp/posts/949774
なんてこった。まさか、真実なら不審者に気をつけるよう注意した俺自身が変な目に遭うだなんて。ミイラ取りがミイラになったってわけだ。
「ち、違う! 心配だったんだよ。君が不審者に狙われそうだったから」
俺と彼女の距離はえらく離れているように感じられるが、不思議と少女の声はこちらに届く。だから、俺も声を返してみた。
「え、心配だから声をかけたんだって?」
聞こえたようだ。なら、解放を……。
「そんなことを言っても無駄ですよ。今の時代、不用意に子供に声をかけるほうが悪いんですから」
駄目だ。彼女には話が通じそうにない。あまりの理不尽な流れに、思わず息をつく。
「ひゃっ、ため息をつかないでください。貴方の吐いた息がお股に当たってくすぐったいです」
「待ってくれ、ここは……どこだって?」
「え、ここはどこかですって? 私、言いましたよね。私のおパンツの中に、お兄さんがいるって」
パンツ……パンツ? 股を包み込む、あのパンツか?
「おパンツ。私の汚あいおパンツ。貴方が悪い人なんじゃないかって、防犯用スプレーで縮めちゃいました」
どうして、そんなことに……。
「貴方が悪い人なんじゃないかって、防犯用スプレーで縮めちゃいました」
「そんな、無茶苦茶だ! 今すぐ出してくれ!! もとに戻してくれ!!」
「出してくれ? 駄目ですよ。出したら私、何されちゃうかわからないですもの」
「そんなことを言わずに、出してくれよ!! ここ、すごい臭いで鼻が曲がりそうなんだ!!」
辺りに充満するのは凄まじいアンモニア臭。ここが少女のパンツの中だというのなら、まさしくこれはこの子のおしっこの臭いに違いない。
「臭い? 当然ですよね。だって今履いてるおパンツ、洗ってないですから」
洗ってない……だと? 不衛生な!!
「一体何日洗わないでいると、こんな臭いになるんだ」
「何日洗ってないか? すみません、数えてないのでわからないですね……でも、それだけ私の汗の臭いを味わえるってことですよ」
やめて……。
「それに……おしっこの臭いも!」
やめてくれ!!
「おしっこ、私のお股から出た排泄物」
言わないでくれ……惨めになる。
「私、恥ずかしいんですけどおねしょとか、おもらしとかよくしちゃうんです。だから、貴方がいるおパンツの中もきっとすごく臭うと思いますよ」
俺が、少女のおしっこの臭いなんてものに苦しめられてるなんて、そんな現実嫌なんだ。
「アンモニアの臭い。うわあ、鼻が曲がっちゃいそう」
まさしくそう。現実は、少女のおしっこの臭いだけで俺はもがき苦しむ。
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