fantiaの500円プラン作品のサンプルとなります。
本投稿では作品内から一部分を抜粋しています。
https://fantia.jp/posts/715638
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にわかには信じられないが、少なくとも見た目からは信じられない怪力の持ち主であることは事実で、多少の説得力はある。
だから、話を合わせてやることにしよう。それで彼女が満足するなら悪いことではないだろうからな。
「わかった。とりあえずは信じておくよ。それで、どうしたらいいんだ?」
「ありがとうございます! お兄さんは、朝までと1ヶ月、どちらがいいですか?」
「朝までとか、1ヶ月とか何の話だ?」
「あっ、ごめんなさい。嬉しくて話を飛ばしちゃいましたね」
やれやれだ。荒唐無稽な話を聞いたから身構えていたが、ここで慌てるとは可愛いところもあるじゃないか。
「お泊りの話です。聞いたことありませんか? この辺りでは女の子が寝るところを貸してくれるって」
「ああ、なるほど。あの話は本当だったのか」
「良かった、知ってたんですね!」
自称サキュバスの少女は両手を合わせて嬉しそうにしている。何も知らなければ可愛らしい仕草ではあるが、これはますますもって援助交際の臭いがしてくるぞ……。
だが、今更帰るというのも彼女は許さないだろう。
「じゃあ、朝まで頼むよ」
ここで、「朝まで」だけなら無難で終わるだろう、などとたかを括ったのが不味かった。
俺はこのとき、彼女が“本物”のサキュバスであることを思い知ったのだから。
「じゃあ、いきますよ!」
少女は張り切った様子で両手の平を俺に向ける。そして、呪文のようなものを唱えると、次の瞬間には目の前が一変していた。
見渡すと、周囲は地平線まで続くねずみ色の大地、そして天を突き抜けるような壁が存在する謎の場所に変貌していた。
鼻に入る空気は今までのものと変わらないが、ただ見た目だけは明らかに違う異質な空間。
そして、見上げると視界に入ってきたのは水色の天幕。そしてその内側から地面に向かって伸びる、陶磁のように白い2本の柱。
「これは、一体……?」
「あっ、成功しましたね!」
頭上から、先程までの少女サキュバスの声が聞こえる。そう。天幕の更に上には少女の顔がこちらを見下ろしていたのだ!
「い、一体なにをしたんだ!?」
「なにって、お兄さんを私の中に泊めるための準備の魔法ですよ」
それが当然であるかのように、少女は答える。
「私の……中?」
「はい。お兄さんは朝までだから、こっちですね」
そう言って彼女は、俺を優しくつまみ上げる。
……つい先程までは俺の胸元にも届かなかった少女が今では大巨人。そんな現実を受け入れるほど俺の脳は柔らかくない。ただ、呆然となされるがままでしかなかった。
少女は何を考えているのか、俺をつまんでいない方の手で自らのスカートを捲った。その向こう、本来隠されているべき秘部は大胆にもあらわとなる。
「な、なにをしてるんだ!」
「なにって、お兄さんはこれからこの中に入るんですよ? こうしないと入れられないじゃないですか」
「この中って……自分を大事にするんだ! そこはもっと大切な人ができたときまで守っていなさい!!」
俺は急展開の嵐についていけず、ついこのようなことを口走ってしまった。彼女は人の精気を吸い取るサキュバスというではないか。
そんな彼女に、人間の一般的な倫理を訴えてどうなるというのだ。だいいち、推定1mmあるかないかであろう今の俺が膣に入れられたところでどうなるものでもないだろうに。
「あ、ありがとうございます。でも、お兄さんは心配しなくていいですよ。そっちの穴は使いませんから」
勝手な思い込みをした俺は顔を赤らめる。たしかに、彼女は膣に入れるだなんて一言も言っていない。
だが、スカートの向こう側で膣じゃない場所ならどこなのだろうか。
「お兄さんが寝泊まりする場所は、こっちですよ」
そうして運ばれた場所。そこは幼き縦割れクレバスの向こう側。膣……ではなくその少し上に位置する小さな穴の前。
幼い子どものことを「小便臭い」とは言うが、まさにここはそんな小便臭い場所だった。
尿の残り香だろうか、アンモニアの臭いが強烈に漂うその場所は、俺のことをいまかいまかと言わんばかりにヒクヒクとしていた。