恥獄(サンプル)

fantiaの500円プラン作品2021年5月号のサンプルとなります。
本投稿では作品内から一部分を抜粋しています。
https://fantia.jp/posts/728555

「なにが目的なんだ。なにをすれば、帰してくれる」
「あら、素直ね。貴方みたいな子、私は好きよ」
「だが、頼む。俺にはなにをやっても構わない。だから、ヘイゼルだけは見逃してくれ」
「エリックさん!」
 ヘイゼルはまだ幼い。故郷の村を焼かれた俺は旅に出たが、ヘイゼルはなんとか俺に着いてくるのでやっとだ。
 幸い神官の生まれであった彼女は幼いながらも奇蹟の力を行使することはできたが、自分のみを守るのでやっとだった。
「献身的ね。安心しなさい、私は小さな子をいたぶる趣味はないわ」
「そうか、安心した」
「でも、本当にいいのかしら? 貴方はきっと、すごく苦しいわよ?」
 緊張し、固唾をのむ。だが、帰るには彼女の条件を飲まざるおえない。
「ああ。俺たちは身の程を知った。だから、ここから帰してくれ」
「いいわよ。でも、エリックだったかしら。貴方には罰を与えなきゃね。身の程知らずにも私に挑んだっていうことの罰を」
 サキュバスは俺に指を指し、呪文のようなものを唱えた。俺は思わず目を瞑ったが、痛みは来ない。

 しかし、再び目を開けた頃には世界が一変していた。
 身体に痛みが走る。いつの間にか鎖は解け、俺は床に落下していたのだ。だが、異変はそれだけではない。
 全てが巨大化していたのだ。サキュバスも、鎖も。そして、相棒のヘイゼルさえも。
 頭上を見上げると、そこには鎖に縛られて宙に浮く巨大な少女ヘイゼル。衣を剥がされ、幼い小さな胸と毛が生え揃わない股間を露出する彼女は、その瑞々しいブロンドのツインテールと相まってまるで宗教画に描かれる女神のようにも見える。
「これは、一体なんだ!?」
 思わず叫ぶ。
「ふふっ、大丈夫よ。これからヘイゼルちゃんも解いてあげるから」
 温情の言葉に聞こえるが、その笑みは不気味だ。
 サキュバスは俺をつまみ上げ、ヘイゼルの股ぐらすぐ下……肛門の直下に運んだ。
「ちょっ、ちょっと! やめてください!! その……恥ずかしいです!」
 頭上からはヘイゼルの恥ずかしそうな叫びが聞こえるが、サキュバスは聞く耳を持たず俺をそのまま運ぶ……まるで、ヘイゼルの肛門に挿入するかのように。
「お、おい……まさか!」
「ええ、そのまさかよ。良かったわねえ、エリック。貴方は生きて村に帰れるのよ。それもヘイゼルちゃんに運んでもらいながら」
 サキュバスはヘイゼルの肛門をこじ開ける。その内部から、直腸内に溜められた嫌な空気が悪臭とともに浴びせられる。
「や、やぁ!!」
 ヘイゼルは恥ずかしそうな叫び声を上げながら、身体を暴れさせるがサキュバスは器用に……そして残酷なまでに冷静に運搬を続け、俺はついに閉じ込められた。他ならぬ、妹のように大切にしていたヘイゼルの直腸内に。
 ヘイゼルの体温で熱せられた直腸は酷く暑く、俺の身体の水分を容赦なく絞り尽くそうとする。
 どうやら、人間の身体というのは体内にいるのが仲間であっても容赦はしてくれないらしい。

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